第79章

和也は険しい顔で黙り込み、不機嫌そうにカードリーダーを奪い取った。それから一つ深呼吸をして踵を返し、悟の前に歩み寄る。その足取りは、一歩一歩がやけに重々しかった。

詩音は視界の隅でそれに気づき、慌てて後ろを向くと、目元を指で素早く押さえ、笑いすぎて滲んだ涙を拭い去った。

再び振り返ったときには、その顔はすでにいつもの淡々とした気品ある表情に戻っていた。

「やれ」和也はカードリーダーとクレジットカードを一緒に差し出した。その声は硬く、一言一言が歯の隙間から絞り出されたようだった。

悟はそれを受け取ると、伏し目がちに、しかし慌てることなく端末を接続し、金額を打ち込む。そして、和也のカード...

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