第83章

蓮の小さな顔は、絶望で塗り潰されていた。

ひっく、としゃくり上げる。長い睫毛には涙がびっしりと絡みつき、俯くたびに大粒の雫が手の甲へぽたぽたと落ちていく。その姿は、見るに堪えないほど哀れだった。

だが、誰も気にも留めない。蓮はただ床に這いつくばり、両手をついたまま、消え入りそうな声で鳴くしかなかった。

「……わん、わんわん」

「なにそれ」

炎がしゃがみ込み、蓮の肩をツンツンと突いた。

「声が小さすぎて、全然聞こえないんだけど」

蓮の顔がカッと朱に染まる。下唇を強く噛みしめ、もごもごと口ごもった。

その様子を少し離れた場所から見つめていた詩音は、炎に向かって声をかけた。

「も...

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