第九章

詩音は愛想笑いを浮かべ、この茶番を早く終わらせようと口を開いた。

「それでは、小林さんの入社を歓迎します。今後、互いに利益のある協力ができることを願っています」

琴音は勝ち誇ったように笑い、手を握り返した。

「もちろん。全力を尽くしますわ」

手が触れ合ったのはほんの一秒。すぐに離れた。

「やったー!」

蓮が飛び跳ね、笑いながら二人の周りをぐるりと回った。

そして二人の間に立ち止まると、大きな目を瞬かせて二人を交互に見上げ、ポケットから潰れた折り鶴を取り出した。

作りは雑で、角も揃っていない。

「琴音おばさん、これあげる!」

蓮は折り鶴を差し出し、目を輝かせた。

「学校の...

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