第104章 爆弾

会議室には、鉄臭い血の匂いがこもっていた。

あの議員の息子は床にへたり込み、意味も成さない言葉で命乞いを繰り返している。

サイモンは、そいつを見なかった。

腕の中のシェリーだけを見つめる。

軽すぎる。

――自分の妹だ。

心臓が、異常な速度で暴れ回っていた。

いまこの瞬間、マアミのビーチでシェリーのためにいちばん派手な花火を上げてやりたい。ただ一度、笑う顔が見たい。それだけのために。

「サイモン兄さん」

シェリーはむっとした顔で、肉付きのいい小さな手を伸ばし、血まみれのサイモンの頬をぐいっと押した。

「血、わたしのスカートに擦りつけないで。これ、高いんだから」

サイモンは...

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