第107章 やりすぎた

サイラスはそのひと言を聞いた瞬間、耳のあたりが疑わしいほど――ほんのり赤く染まった。

この男は生涯、腐るほどのおべっかを浴びてきた。だが、六歳の小さな女の子から投げられたその言葉ほど、全身の芯まで気持ちよくさせるものはなかった。

「……見る目あるじゃねえか、バケモノちゃん」

サイラスはシェリーのぼさぼさの短い髪を乱暴にわしゃわしゃと撫で、真皮のシートへしっかり座らせる。声には、どうやっても隠しきれない自慢が滲んでいた。

「いいか、ちゃんと座ってろ。お父さんが家に連れて帰って、ケーキ食わせてやる」

バン、とドアが閉まる。

裏社会の人たちに護衛されながら、車列は戦場じみたワケイ国際学...

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