第112章 欠陥品

「兄さんってそんなにすごいのに」シェリーはベッドの上にちょこんと腰掛け、短い脚を宙でぶらぶらさせた。「どうして当時、ライアン家は兄さんを跡継ぎにしなかったの? あの人、いちばん有能が好きなんでしょ?」

シェーンは手元の作業を止め、使い終わったガーゼをゴミ箱へ放り投げる。

「欠陥品だから」声の抑揚はない。

「けっかん……ひん?」

「兄さんは六歳のとき誘拐された」シェーンは椅子を引いて腰を下ろした。「光の入らない地下室に、丸二週間。家の人が見つけたときには、息があるだけだった」

「お父さんが引き戻した。でも傷は戻らない。あれ以来、強い圧がかかったり、急な危険が来たりすると――反応が完全...

ログインして続きを読む