第118章 お願いします

アラリックの視線がレンズ越しに、真っ赤に上気したリアムの顔へと寸分違わず突き刺さった。

「リアム。確か一年前、母上が家族会議で『父上に街で妹を探させる』と言い出したとき……おまえの反応は、今みたいなものじゃなかったはずだが」

リアムの全身が、びくりと固まる。

アラリックはゆったりとシャツの袖口を整え、冷えた声で続けた。

「俺の記憶が狂っていないなら――そのときおまえは、ナイフを食卓に叩き込んだ」

アラリックがわずかに首を傾ける。レンズがひやりと光を弾いた。

「それが今はどうだ。おまえの言う『妹』のために、俺の実験室の扉を叩き壊しに来た?」

いつもなら凶暴さを貼り付けたリアムの顔...

ログインして続きを読む