第19章 頭大丈夫か?

「もしかして、パパが探してる人のこと……知ってるの?」

ソフィアが無垢な顔でシェリーを見た。

前世、濁った水の底で息が詰まっていく――あの恐怖が、いきなり神経を握り潰してくる。

シェリーは跳ね起きた。椅子が床をえぐり、甲高い悲鳴みたいな音を立てる。

「……頭、大丈夫?」

ソフィアを睨みつける。声が、怒りで震えていた。

「お前の父親が誰を探してようが、私の知ったことじゃない。家族そろって被害妄想? マカロンひとつ持っただけで、自分が聖女にでもなったつもり? その吐き気する顔、しまえよ。近寄るな!」

教室の空気が、一瞬で凍った。

ソフィアが固まる。

大きな瞳にみるみる涙が溜まり...

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