第30章 恨みがあるのか?

リアムが姿を見せた瞬間、人の流れが勝手に渦を巻いた。

「リアム! マジで来たのかよ。南の屋敷に籠もってるって聞いてたのに」

派手な服の男子がシャンパンを片手にすり寄り、媚びた笑みを貼りつける。

「来週のレース、欠席とかナシだぜ」

「それがお前の妹? やっば……お人形みたい」

上級生の金持ち連中が囲んでくる。目に浮かぶのは、恐れと敬意が混ざった光。

この界隈でリアムは、気分ひとつで相手をICU送りにしかねない危険人物――そういう扱いだ。

リアムは片手をポケットに突っ込み、相手にする気もない。

その代わり、もう片方の手でシェリーの手首を強く握り込んでいた。目を離した隙に、会場を爆...

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