第37章 不可視の力

車が私道に滑り込み、ようやく停まった、その瞬間だった。シェリーがドアに手を伸ばすより早く、外で「バンッ!」と鈍い破裂音がした。

次の刹那、車のドアが外側から乱暴に引きちぎられるように開けられる。

「ハニー!」

ヴェラがシェリーを座席からひっさらうように抱え上げ、骨が軋むほどきつく抱きしめた。

「ママを殺す気!? 髪の毛一本でも減ってたら、ライアンって姓のクソ野郎、ミンチにしてやる!」

「ママ……大丈夫。ちょっとお腹が痛いだけ」

シェリーはヴェラの背をぽんぽん叩き、息を整えるふりをした。

背後に立つサイラスは、いつもの派手なスーツではない。タクティカルベスト姿で、腰にはグロックが...

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