第46章 巨大なマシュマロ

シェーンの目には欠片ほどの熱もなかった。これから解剖台に載せる死体でも眺めるみたいな目だ。

トニーはというと、相変わらず身の程知らずに顎をしゃくっている。甘やかされて育った坊ちゃん、そのものだった。

シェーンがメスに手をかけかけた、その瞬間。

ふいに、やわらかな小さな手が彼の手首をきゅっと掴んだ。

「シェーン兄ちゃん。お腹すいた」

シェリーが顔を上げる。澄みきった大きな瞳が、ぱちぱちと瞬いていた。

「いちごプリン食べたい。今日、食堂の限定でもうすぐなくなっちゃうの」

シェーンの指先が、ぴたりと止まる。

視線を落とす。白くやわらかな頬。自分の手首を握る、小さな手。

そのふにゃ...

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