第65章 彼のことは放っておけ

シェリーは白目をむき、脇のゴミ箱へ歩み寄ると、抱えていたパンを三つ、ためらいもなく放り込んだ。

「ホームレスの施しじゃない。リアム兄さんが寄こしたやつ」

パンくずをぱんぱんと払って、シェリーは鼻で笑う。

「中に爆弾とか発信機が仕込まれてるかもしれないでしょ。そんなの食べない」

サマーズはその顔に吹き出しかけたが、肝心なところは外さない。

「でもさ、真面目に聞くけど。最近、変なのに狙われてない? 高校部の子たちが言ってた。フード被ったホームレスが、この数日ずっと校門であんたを待ち伏せしてるって」

シェリーはため息をつき、ぐしゃぐしゃの短い髪をかき回した。

「放っとけばいい」

サ...

ログインして続きを読む