第67章 私のもの

シェリーは、彼の人を食いそうな形相にびくりとし、反射的に一歩ぶんだけ身を引いた。

「そうだよ……本人がそう言ってた。どうしたの? これ、屋台で買ったニセモノだったりする?」

「ニセモノ?」リアムが、ぞっとするほど冷たい笑いを漏らした。

彼は翡翠を乱暴に握り潰すように掌へ押し込み、額の血管がぴくぴくと脈打つ。

「ふざけんな。これがニセなわけねえだろ。――だって、俺のだ!」

シェリーは固まった。

ぱちぱちと澄んだ大きな目を瞬かせ、脳が二秒ほど停止する。

「……兄さんの?」

「南区の秘密コレクションルームに置いてた、最高級の翡翠だ! 先月、E国のマフィアのボスから――奪……勝ち取っ...

ログインして続きを読む