第82章 もう一人の兄を探す?

「請求書? バケモノちゃん、リアム兄さんの財力を何か勘違いしてない?」

リアムは片手でシェリーを大理石の床に下ろすと、黒いシャツの襟元を整えた。

「この宴会場で、おまえがケーキをひっくり返して、市長夫人のダイヤのネックレスを踏み砕いて、ついでにシャンパンタワーをどっかの財閥の頭に叩き落としたとしても――」

「最後に来るのは主催側だ。最高級の赤ワインなんか抱えて、震えながら俺に謝りに来る。『床が滑りやすくて申し訳ございませんでした』ってな」

シェリーはぱちぱちと大きな目を瞬かせた。

よし。そこまで言うなら、もう完全に安心だ。

シェリーはリアムの手をきっぱり振りほどき、隣で無表情のシ...

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