第100章 いい人ぶらないでよ

遠野奏斗はやれやれと息を吐いた。どうして彼女とは、こうも話が噛み合わないのか。

「佑香さん、そんなこと言って……奏斗が傷つくって思わないの?」

夜見千絢が、遠野奏斗の代わりに噛みつく。

「はっ。いい人ぶらないでよ。奏斗があんたのために出しゃばってくれて、心うれしいくせに!」

「前は気づかなかったわ。あんたって、そうやって人の間を裂くタイプだったのね」

「遠野家が何年もタダで養ってやったのに、育ったのは人を煽る恩知らずってわけ?」

「こんなことなら、子どもの頃に――私がこの手で絞め殺しておけばよかった!」

橋本佑香は顔を歪め、奥歯を噛みしめるように吐き捨てた。

遠野奏斗はさすが...

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