第102章 もう少し丁寧に

夜見千絢は、一瞬言葉に詰まった。

遠野奏斗は、夜見千絢の困った顔を見て、気遣うように尋ねる。

「もしかして今の病院、コネがないと入れない感じ?」

「……はい」夜見千絢は、その流れに乗って答えた。

遠野奏斗は力なく息を吐く。

「もっと早く、君の腕がそこまでだって知ってたらさ……俺が潰れる前に、何が何でも病院にねじ込んでたのに」

「でも、今のうちの状況じゃ……正直、難しいよな」

眉間に皺を寄せたまま、どうにもできない悔しさだけが滲む。

妹はこれほどの医術を持っているのに、たったそれだけの理由で、病院という場で力を発揮できない。

遠野奏斗は、夜見千絢の才能が埋もれてしまうのが惜し...

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