第109章 どうして早く言わないんだ

スマホを手に取ると、夜見千絢は大塚翔太にメッセージを送った。

「時間あるとき、私のアトリエに来て。さっき描いた絵があるの。売ってほしい」

『アトリエ行ったの? 了解。時間あるならもう何枚か描いてくれると助かる。最近、売るものがなくてさ。結構みんな俺に聞いてくるんだよね』

大塚翔太からすぐに返事が来る。

「そうなの? じゃあ、なんで早く言わないの」

「分かった。じゃあ、もう少し描く」

夜見千絢は少し意外そうに呟いた。

本来は気分転換のつもりで、思いつくままに筆を走らせただけだった。まさか大塚翔太のところが、そんなに商売になっているとは。

自分の絵が、すでに全部売り切れていたなん...

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