第117章 そんなに急いで行くのか

「うん、じゃあもう少し見てみる」

白坂柊真はそれ以上は深く突っ込まず、そのまま前へ歩いていった。

その背中を、棚の陰に身を潜めていた小林佑と遠野彩芽が、息を殺して見送る。ようやく――夜見千絢の隣にいる男の顔がはっきり見えた。

「佑、見た? 千絢の横にいた男……まさか……」

彩芽が目を見開く。

「千華グループの白坂社長だ。俺も見た」

佑も同じくらい驚いた顔で、白坂柊真と夜見千絢の一挙手一投足を追った。

「早く、もっと撮れ」

佑が小声で促す。

自分もすぐにスマホを取り出し、連写する。まさか、また遠野千絢と白坂柊真が一緒にいるところを拝めるとは夢にも思わなかった。

白坂柊真クラ...

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