第131章 すべては彼のせいだ

夜見千絢は唇の端をわずかに吊り上げ、低い声で言った。

「問題ない。いい見世物になるから、楽しみにしてて」

「了解。じゃあ、面白いもん見せてやるよ」

受話器の向こう、大塚翔太の声には、隠しきれない愉悦が滲んでいた。

「うん。じゃ、そっちはそっちで動いて。こっちは運転するから」

そう言い終えると、夜見千絢は通話を切った。

ハンドルを握りながら、ふと橋本家のことが頭をよぎる。

かつては遠野家に寄りかかるだけだった橋本家が、いつの間にか根井区の富商にまで成り上がっている。

……正直、意外だった。

翌日。

そよ風が頬を撫で、空は晴れ渡っていた。

千華グループ社長室。

「白坂社長...

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