第137章 夜見千絢じゃないか?

夜見千絢は、彼が何を言いたいのか分かっていた。だから先に口を開く。

「いいよ。兄さんのこと、いちばん分かってるのは私だもん。誰の言葉も信じられなくても、私の言うことは信じてくれるでしょ?」

「うん。行こう」

遠野奏斗がいちばん信じているのは夜見千絢だ。彼女が「いい」と言うなら、きっと大丈夫。

千絢に連れられて駐車場へ向かう。そこに停まっていた彼女の車を見ても、奏斗は余計なことを聞かなかった。そのまま助手席に乗り込み、二人は海へ向かった。

「ねえ兄さん。最近、家から電話あった?」

ハンドルを握りながら、千絢は雑談みたいな調子で訊く。

「いや。あの一件以来、電話もないし……病院にも...

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