第139章 彼氏でしょう

「そうだよ。兄と話があるんだ」

「でも、さっきは……」

宮本治樹は腑に落ちない顔で遠野奏斗を見た。

「その話、いったん置いとけない? 私、まだ足から血が出てるんだけど」

夜見千絢がたまらず割って入る。

「ごめん! じゃあ、先に処置してあげて」

宮本治樹は慌てて消毒液を遠野奏斗に手渡した。

遠野奏斗は小さくうなずき、受け取った薬液で夜見千絢の傷口をそっと拭き始める。

「しみるかもしれない。少しだけ我慢して」

声も手つきも、やけに優しい。

「平気。遠慮しないで、ちゃんとやって」

夜見千絢はわざと軽い調子で言った。奏斗を緊張させたくなかった。

ほどなくして、遠野奏斗は止血と...

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