第164章 逃げることだけは一人前

「連中を追い出せ!」加藤先生が堪えきれないといった冷えた声で言った。警備員が来るのを待つまでもない、という顔だ。

看護師はどうしようもなく、腹を括って橋本佑香と遠野周生に退室を促した。二人が居座っているせいで、加藤先生が遠野奏斗の診察を進められない。こちらの時間も削られていく。

だが橋本佑香と遠野周生は椅子に座ったまま、看護師が何を言っても動こうとしなかった。

看護師は悔しさで顔色まで白くなる。

「加藤先生……あの人たち、どうしても出てくれません。どうしたら……!」

加藤先生も同じく苛立った目で二人を一瞥し、短く言った。

「警備員はまだか。呼びに行ってくれ」

「はい!」

看護...

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