第211章 どうして白坂家なんだ

雲田司奈はすっかり肝を冷やし、機体を立て直すと、ゆっくりとヘリを降ろした。

――無理。少し落ち着かないと。

全身ががくがく震えて、脚なんて今にも崩れそうだ。

「今日はここまでにしよう。状態が良くない。休め」

コーチもどこか青い顔で、後ろ髪を引かれるように言った。

「……うん」

雲田司奈は頷いた。今はもう、ヘリに触るのすら怖い。

遠くでは夜見千絢と夜見美羽がまだ練習を続けている。司奈は唇を噛み、胸の奥に黒い苛立ちを溜め込んだ。

それから三十分。

夜見美羽と夜見千絢が、順に戻ってくる。

「今日の君は良かった。飲み込みも早い」

宮本治樹が夜見千絢を褒めると、

「説明が分かり...

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