第216章 怒っているみたいだ

夜見美羽は、夜見千絢が名医チナの弟子だなんて、正直そこまでとは思っていなかった。――だとしても、あんなふうに自分たちを辱めていい理由にはならない。

沈黙が落ちる。

司奈の言う通りだ。疑ったのは自分たちの落ち度だった。けれど、誤解が解けたならそれで終わりのはずなのに。どうしてあそこまで冷たく、突き放すような態度を取れるのか。

「それにさ。私たちが帰ったのに、あの子だけ帰らないって……白坂社長に取り入ってるに決まってるじゃん」

雲田司奈が、さらに油を注ぐ。

夜見美羽は唇を噛み、白坂柊真をかばうように言った。

「柊真は製薬工場に投資してるの。視察に来るのは当然でしょ」

「来るならいつ...

ログインして続きを読む