第25章 主治医になる

遠野千絢は白坂柊真に目もくれず、すっと銀針を取り出すと、白坂おじい様の要となるツボへ迷いなく打ち込んだ。

柊真は状況を察し、それ以上口を挟まない。ただ眉間に薄く皺を寄せ、傍らでおじい様の反応を見守る。もし悪化するようなら、病院へ運ぶしかない。

――正直、彼の中では、この女は斎藤先生よりも信用ならない部類だった。

その斎藤先生も顔色を強張らせ、落ち着かない声で言う。

「や、やはりすぐに病院へ……。ここは設備が限られていますし、万が一が――」

「今は動かせない。痙攣が出てる。患者を移動させるのは危険よ。落ち着くまで待って」

遠野千絢は冷たく言い切った。いつもの淡々とした口調なのに、背...

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