第32章 製薬工場

遠野千絢はおじいさんに頼まれ、仕方なく脈を診てやることにした。

大奥様と夜見槙夫、そして雲田伊津美は、千絢が脈診までできると知って、思わず目を見張る。

雲田伊津美が夜見槙夫の耳元にそっと囁いた。

「千絢って、こんなにすごいのね……漢方のお医者さんみたいに脈まで診られるなんて。うちの娘、本当に優秀……!」

夜見槙夫も嬉しそうに頷き、顔を綻ばせる。

ほどなくして千絢は脈診を終えた。全員の視線が、結果を待つように彼女へ集まる。

注目を一身に浴びながら、千絢はおじいさんを見て口を開いた。

「おじいさん。お身体自体はすごくお元気です。ただ、長年の喫煙のせいで肺に詰まりが出ています。今日か...

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