第34章 まさか彼だったのか?

「おや? 白坂家の坊ちゃんが来たのか?」

夜見おじい様はしばし考え込み、視線がふと夜見美羽と夜見千絢へと流れた。何かを思い当たったように、落ち着いた声で言う。

「通しなさい」

このタイミングで白坂柊真が見舞いに来るとは、正直意外だった。

実の孫娘も戻ってきた今、白坂家と夜見家の縁談も――いずれ、見直すべきなのかもしれない。

執事が一礼する。

「かしこまりました」

「柊真がおじいちゃんのお見舞いに?」と知った瞬間、夜見美羽の胸に沈んでいた靄がすっと薄れた。顔にぱっと喜色が差し、弾む声で言う。

「おじいちゃん、私、柊真を迎えに行ってきます」

夜見おじい様は、美羽がここまで積極的...

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