第48章 どうしてここにもいるんだ

雲田伊津美に押し切られ、夜見千絢は結局、夜見家の車で海昇邸を後にするしかなかった。

タクシーが拾いやすい場所まで来たところで、千絢は運転手に言う。

「ここで停めて」

運転手が指示どおり車を寄せて停車すると、千絢はすぐに降りた。

夜見家の車が走り去ったのを見届けてから、彼女は手を上げてタクシーを止め、ヒルデのオークション会場へ向かった。

     *

ヒルデの個室。

白坂柊真は赤ワインのグラスをゆらりと傾けながら、口を開く。

「ヒフミは来たか」

「まだです。ただ、正面入口には人を張らせています」石川理生が報告する。

「分かった」

同じ頃、ヒルデの正面玄関にタクシーが滑り込...

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