第49章 惹れない相手

妙だな。白坂柊真ほどの男が、あれだけ多忙だというのに――どうしてヒルデのオークションに顔を出せる?

そう思った夜見千絢はスマホを取り出し、大塚翔太にメッセージを送った。

「私がヒルデに来てるって、誰かに漏らしてないよね?」

『漏らしてないけど。どうした?』

事情を知らない翔太の返事に、千絢は短く打ち返す。

「ううん、何でもない。仕事戻って」

一方、白坂柊真は石川理生が一人で戻ってきたのを見るなり、淡々と尋ねた。

「ヒフミは?」

「……来づらいそうです」理生は事実だけを報告する。

「来づらい? 俺の名前は出したのか」

「出しました。ただ、ヒフミさんが……」理生はそこで言葉を...

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