第51章 奪い合う?

「ヒフミのほう、特に動きはありません」

石川理生が報告した。

白坂柊真はわずかに眉を寄せ、すぐに指示を飛ばす。

「撮ったやつ、全部あっちに届けろ」

――あれを見れば、ヒフミが驚かないはずがない。黙っていられるとも思えない。

「承知しました」

ほどなくして石川理生は、押さえた品々を携え、7号個室へ向かった。

その頃、7号個室では夜見千絢が苛立ちを噛み殺しながら、帰り支度をしていた。

白坂柊真から一泡吹かせることはできた。だが肝心の落札は、今日は一つもない。胸の奥に残るのは、どうにも締まらない空虚さだけだ。

荷物を手に、ドアへ向かった瞬間――コンコン、とノックが鳴る。

「どう...

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