第57章 貴重なお返し

夜見美羽は、夜見千絢が自分の贈ったプレゼントをあっさり脇へ置くのを、ただ黙って見ていた。胸の奥が、すとんと落ちる。

――なんで、置くの? どうして開けてくれないの?

開けてくれさえすれば、父さんも母さんも分かるのに。私が贈ったのが、ちゃんと高価で、特別なものだって。

「母さん、ちょっとお腹すいた。あとで何食べるの?」

千絢はまるで気にした様子もなく、雲田伊津美へ視線を向けた。

「千絢は何が食べたいの?」

伊津美は甘やかすような目で尋ねる。

「カニがいい」

少し考えてから、千絢が言う。

「いいわ。新鮮なのをすぐ届けさせるね」

伊津美はそう言ってスマホを取り出し、さっとメッセ...

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