第64章 口を挟む余地はない

どうやら彼女は今日、夜見雲を連れて見舞いに来たらしい。結果的に、それがいい方向に転んだ。

「うん。ほら、私、嘘ついてなかったでしょ。今ほんとに元気にやってるから。だから安心して、ちゃんと治療に専念して。私のことは心配しなくていいから」

「これ、薬もらってきた。ここに置いとくね。ちゃんと飲んで。なくなったら言って。私がまた持ってくるから」

夜見千絢が気遣うように遠野奏斗を見つめる。

「わざわざ何度も来なくていい。疲れるだろ。薬なら使用人に取りに行かせればいい」

遠野奏斗は、労わるように言った。

「ふーん。じゃあ、もう私に会いたくないってこと? だったら使用人に行かせれば」

夜見千...

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