第65章 乞食への施しだと思えばいい

「母さん……千絢だって、俺の妹だろ……」

「黙りなさい! まだ言うの? 私の言ってることが分からないの! あの子はあんたの妹じゃない! あんたの妹は遠野彩芽だけよ!」

橋本佑香の声が、ぴんと跳ね上がった。

「もういい。ここで説教する気はない。金をせびりに来たわけでもないし」

夜見千絢は橋本佑香を見据え、瞳の温度を一段落とす。

「兄さん、落ち着いて。興奮したら身体に悪いよ。……また改めて来るね」

遠野奏斗にふっと笑いかけ、千絢は踵を返した。

「……ああ。先に行け。ここにいても、嫌な思いするだけだ」

奏斗も、彼女をこれ以上ここに置いておきたくなかった。

だが――。

「せっかく...

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