第102章

キヨは何度も息を吹きかけて粥を冷まし、スプーンを意織の口元へ運んだ。その声は涙に詰まっていた。

「意織、おばあちゃんからのお願い。自分のためじゃなくても、お腹の子どものことを考えておくれ。この子はまだ、外の世界を見たこともないんだよ。あなたと一緒に苦しませる気かい?」

子ども。

下腹部に宿る、気づかないほど微かな存在を感じ取る。

それは、彼女にとってこの世界で唯一の血の繋がりだった。

キヨの真っ白な髪と、哀願の色を浮かべた瞳を見つめていると、意織の心に張り巡らされた防壁にようやくひびが入った。

口を開き、少し冷めかけたお粥を機械的に飲み込む。

それを見たキヨは喜びにむせび泣き、...

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