第22章
病室は水を打ったように静まり返っていた。
夏菜の手から花が滑り落ち、花びらが床に散らばる。
深の眼差しが、ついに変わった。これまで見せたことのない、底知れぬ陰鬱な光が宿っている。
意織は悟った。この芝居は、完全にぶち壊しになったのだと。
そして自分は、火あぶりにされる生贄になったのだ。
入り口から、医師や看護師たちが次々と雪崩れ込んでくる。
意織は振り返りもせず、病室を後にした。
背後から、深が追いかけてくる足音が聞こえる。
意織は足を止めず、真っ直ぐエレベーターへと向かった。
エレベーターの扉が閉まりかけたその瞬間、深の手がセンサーを遮った。
彼は強引に乗り込むと、反転...
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