第26章

彼の度を越した冷淡な態度、そして夏菜への際限ない贔屓。

「人間、追い詰められれば変わるものよ」

夏菜を庇う彼の仕草を見つめ、意織はただ極限の皮肉を感じていた。

「私がそんなに意地悪で冷酷だと思うなら、さっさと離婚してよ。私の顔があなたたちの目障りにならないようにね」

「黙れ!」

深は今、自分が「離婚」という二文字を何よりも聞きたくないことに、ふと気がついた。

ドアの外では、一ノ瀬家の分家の親戚たちが慌ただしく駆けつけてきた。

「どういうことだ? 大奥様が急に救急搬送されるなんて」

「病室の前で揉め事があったらしいですよ」

「まったく、あの孫嫁はわきまえてないね。大奥様はあん...

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