第27章

「どうした」

深は足早に歩み寄り、彼女を抱き起こした。

夏菜はそのまま彼の胸にすがりつき、激しく震えていた。

「さっき……外でドアを叩く音がして、すごく大きくて。ドアスコープから覗いたら、キャップを被った男の人が、ナイフを持って立ってたの」

深はドアを押し開けて廊下を一瞥した。がらんとした空間にセンサーライトが点灯しているだけで、争ったような形跡は微塵もない。

管理会社を呼んで防犯カメラの映像を確認させようとしたが、あいにくその階のカメラはメンテナンス中だと言われた。

「まずは病院に戻るぞ」

ここで時間を潰している余裕はない。祖母はまだ危険な状態を脱していないのだ。

夏菜はし...

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