第30章

深の、スマホを握る手がぎゅっと力を帯びた。

夏菜が嘘をついていることは分かっている。

昨日、意織は病室で丸一日付き添っていたのだ。

「おばあさま。夏菜の言葉を、すべて鵜呑みになさらないでください」

老夫人の口調は鋭かった。

「今すぐここへ来なさい。きっちり説明してもらうわよ!」

通話が切れると、老夫人の瞳に鋭い光が走った。

自分の孫が一体どこまで目を曇らせているのか、見極めてやるつもりだった。

……

三十分後。深が病室のドアを押し開けた。

どこから湧いて出たのか、夏菜が幽霊のように深の後ろに付き従い、手には買ってきたばかりの朝食を提げている。

「深。おばあさまは目覚めた...

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