第36章

意織はスマホを握り締め、その指の関節は白く浮き出ていた。

「あなたがやったの?」

「永田社長に、今の白川家の実権を握っているのが誰か、はっきりと分からせただけだ」

深はジャケットを手に取り、見下ろすように彼女を見据えた。

「頭が冷えたら、本邸に戻れ。俺もそう気が長いほうじゃない」

深が去った後、意織が息をつく暇もなく、白川本邸の運転手が彼女のマンションの下まで車を回してきた。

父の白川振一郎から、母の芳子が心臓の発作を起こしたためすぐに戻れと急かされたのだ。

意織が白川家に駆けつけると、リビングはひどく荒れ果てていた。

白川振一郎はソファに座り、立て続けにタバコを吹かしている...

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