第48章

「それに、あのメールのIPアドレスは偽装されていたけど、あなたがその日、深夜二時までオフィスに残っていたことは監視カメラにばっちり映ってる。この茶番が面白いと思うなら、せいぜい踊り続ければいいわ。最後に法廷へ引きずり出されるのが誰か、見ものね」

小林奈々の顔に張り付いていた笑みが、ピシリと凍りついた。

意織はエレベーターに乗り込み、ゆっくりと閉まる金属の扉を見つめた。あの汚らわしい罵詈雑言が、別の世界へと遮断されていく。

ビルを出て冷たい風に吹かれた瞬間、背中が冷や汗でびっしょり濡れていることに気づいた。

ここ数日、彼女は人事部と法務部に何度も足を運んだ。あのメールを送ったのは自分で...

ログインして続きを読む