第62章

大奥様は勢いよく振り返った。その声は雷鳴のように轟き、部屋全体を震わせるかのようだった。

その声を聞きつけて、深がやって来た。書斎から出てきたばかりの彼の体からは、まだ微かに煙草の匂いが漂っている。

意織の部屋に大奥様がいるのを見て、彼の顔色が微かに変わった。

「おばあさま、どうしてこちらへ?」

深はドアの前に立ち、努めて声を潜めた。

「私が来なければ、お前は意織をここでなぶり殺しにする気だったのかい!」

大奥様はベッドに横たわる意織を指差した。その指先が小刻みに震えている。

「あの子を見てみなさい! なんて姿なの? 意織はお前が正式に迎え入れた妻ですよ! お前が監禁する囚人じ...

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