第85章

深は歩み寄った。その口調は相変わらず冷ややかで硬かったが、耳を澄ませば、微かな緊張が混じっているのが窺える。

意織は振り返りもしない。

「私に非を認めさせに来たのなら、今すぐ出て行って」

深は鼻で笑うと、椅子を引き寄せて腰を下ろした。

「意織、祖母さんが倒れて入院したからといって、このまま見逃すとでも思っているのか」

彼は彼女の横顔をじっと見据えた。

「夏菜の怪我はまだ治っていないし、悠が持っていたあれが一体何なのか、俺はまだ調べ終えていない。それがはっきりするまで、お前はどこへも行けないと思え」

意織はようやく顔を向け、彼の顔をじっと見つめ返した。

その瞳の奥に、ほんの僅か...

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