第97章

意織はスマホをぎゅっと握り締め、爪が掌に食い込んでいた。

深、あなたが求めた答えは、もう渡した。

これからは、この命も、この心も、あなたに借りはない。

仕事の効率という点において、深に抜かりはない。

意織が頭を下げてからわずか十分後、芳子は再び最上階の特別室へと運び込まれた。

撤去されたばかりの海外製の医療機器も、二十四時間体制の専門医チームも、すべて元通りになった。

意織は廊下の突き当たりに立ち、病室のドアが再び閉ざされるのをじっと見つめていた。

手の甲の赤みはまだ引いていない。先ほど熱い茶を浴びた痕だった。

「行くぞ」

深が車のキーを手に歩み寄ってくる。

彼の顔から陰...

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