第34章 高橋グループを買収する

高橋社長はぶよぶよとした腹を突き出し、興奮した顔で駆けつけてきた。

後ろのドアが、バタンと音を立てて閉まる。

佐藤絵里の前で足を止めると、高橋社長は目を閉じて香りのする空気を深く吸い込み、空虚だった心が一瞬で満たされるのを感じた。

「かわいこちゃん!美人!会いたかったよ!」

「あの日君を見てから、飯も喉を通らず、毎日君のことばかり考えていたんだ!」

「ほら見てよ、何キロも痩せたんだぞ!」

高橋社長はその場でくるりと一回転し、腰の何層にも重なった贅肉がぶるぶると震えた。

「お父さんから聞いたよ、この前のことで謝りに来てくれたんだって?」

今回は部屋の扉が外から施錠され、佐藤絵里...

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