第46章 嫌い

佐藤絵里は無表情で南山六也の手を振り払った。

こんなクズに対して、一言も余計な言葉をかけたくなかった。

「絵里ちゃん、俺たちの間に何か誤解があるんじゃないかと思うんだ……」

「少し時間をもらえないかな」

「三十分だけ!」

「いや……十五分でいい、たった十五分あれば、すべてを説明できるから、どうかな?」

佐藤絵里の目には嫌悪感が満ちていた。

「出ていけ」と言おうとした瞬間、入口から見覚えのある人影が現れた。

彼女の表情に意味深な笑みが浮かび、目元が少し上がり、妖艶な魅力を漂わせた。

「いいわよ。実は私も知りたいの、どうして私と佐藤愛の間で、あなたが彼女を選んだのか」

南山六...

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