第47章 花と土

藤原青樹は、生まれて初めて心の底から深い挫折感を味わっていた。

そのせいで彼の周囲の空気は徐々に重くなり、息苦しいほどの圧迫感を放っていた。

佐藤絵里は柔らかな声で言った。「私に腹を立てるのは構わないけど、自分の体で冗談を言うのはやめて」

「もう何時だと思ってるの? 昼食もまだ食べてないなんて、胃が痛くならないの?」

そう言いながら、麺の入った丼をさらに前へ押し出す。

藤原青樹は胸中が乱れに乱れ、立ち上がって部屋を出ようとした。

「食べないって言っただろ……」

だが、急に立ち上がった拍子に彼女にぶつかってしまった。

ぱたりという音。

絵里が心を込めて作った麺は床に落ち、丼は...

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