カーラ

ファムケはこれまでにもニクスとナイトクラブに行ったことがあると思っていた。だが、いま味わっているものは、それらとはまるで別物だった。彼女はスマホを取り出し、今いるボックス席を手早く動画に撮って、親友に送ろうとしていた。

「なにしてるの?」ジュビは笑いながら、手すりに身体を預けて後ろへぐいと反り返る。その拍子にファムケの胃がひゅっと宙に浮いた。

「ニクスに動画を送ってるの」

「ニクス?」

「地元にいる親友。ニュージャージーで法務会計の会社に勤めてるのよ」

「いいじゃん。ロイヤルのヘリで迎えに行って連れて来ればよかったのに」

「飛行機、好きじゃないの」ファムケは首を振った。加えて、ニク...

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