ここには祝福はない

ロイヤルはブラムとケショーンと一緒にSUVの後部座席へ乗り込み、胸の奥にまとわりつく嫌な予感を振り払おうとした。

出発する時、ファムケは階下へ降りてこなかった。結局、別れの挨拶もできないまま家を出た。ジュビリーはプレシャスの髪を編んでいて、ジュビが投げてきた視線の険しさからして、あっちにも怒らせてしまったらしい。

「やらかしたな」車が動き出した途端、ケショーンが容赦なく言った。「ホテルまで送ってくれるのは助かるよ。おまえが戻ってからファムケに受ける拷問より、うちの怒った嫁に向き合うほうがまだマシだ」

「怒ると意地悪だからな」ブラムが煽るように続けた。「なんてったって、四年も勤めた職場を、...

ログインして続きを読む