勝者と敗者

「ええ、あの人は確かにあなたのママよ。でもね、最初からあなたなんて欲しくなかったの。あんたの叔父さんのお金を引き出す道具にしてるだけ」

涙でぐしゃぐしゃの子どもに向けられたアンブロージアの刺々しい言葉で、ファムケの身体を縛っていた氷が一瞬で溶けた。考えるより先に、引いていた拳を戻して女の鼻っ面をまっすぐ殴り抜く。周囲が一斉に息をのむのが聞こえた。続けざまにアンブロージアを強く突き飛ばすと、女は細いヒールをもつれさせて尻もちをついた。ファムケはその上を駆け抜け、プレシャスを腕の中にさらい上げると、周りの連中のことなど眼中になかった。

「このクソ女! 鼻が血だらけよ。たぶん折れてる!」床に座り...

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