第104章

私はその親子を氷のように見据えた。視線は刃――皮膚の下の臓腑まで透かしてしまいそうなほど鋭い。

「陸原グループはこの3年で、1,000万規模の送金が5件あります。名目は海外の研究開発センターへのプロジェクト立ち上げ資金。けれど、その『研究開発センター』は実体のないペーパーカンパニー。5,000万は何段階も迂回して洗われ、最終的に誰の懐に入ったのか――陸原様、陸原様。私の監査チームに、株主の皆さまの前で一件ずつ洗わせましょうか?」

その瞬間、空気が凍りついた。

陸原海人と陸原紀川の顔から血の気が一気に引く。死人みたいに、真っ白だ。

公金の私的流用、横領。どんな会社でも『死罪』だ。徹底的...

ログインして続きを読む